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開示審査基準[2]その他

独立行政法人等の保有する個人情報の保護に関する法律に基づく 独立行政法人工業所有権情報・研修館の処分に係る審査基準等について

[2]その他

1.開示請求の対象となる保有個人情報の範囲

法の開示請求の対象となる「保有個人情報」の範囲は、法第2条第2項及び第3項に規定されているが、同項の解釈に当たっては、以下の点に留意するものとする。

-1- 法第2条第2項

(1)「個人に関する情報」

Ⅰ.2.-2- 1)参照。なお、法第2条第2項の本文より、法の開示請求の対象となるのは生存する個人に関する情報である。

(2)「当該情報に含まれる氏名、生年月日その他の記述等により特定の個人を識別することができるもの」

Ⅰ.2.-1- 3)参照。

(3)「他の情報と照合することができ、それにより特定の個人を識別することができることとなるものを含む」

Ⅰ.2.-2- 4)参照。

-2- 法第2条第3項

(1)「独立行政法人等の職員が職務上作成し、又は取得した」

独立行政法人等の役員又は職員が当該役職員に割り当てられた仕事を遂行する立場で、すなわち公的立場において作成し、又は取得したことをいう。

(2)「組織的に利用する」

作成又は取得に関与した役員又は職員個人の段階のものではなく、組織の業務上必要な情報として利用されることをいう。

(3)「独立行政法人等が保有している」

当該個人情報について事実上支配している(当該個人情報の利用、提供、廃棄等の取扱いについて判断する権限を有している)状態をいう。したがって、例えば、個人情報が記録されている媒体を書庫等で保管し、又は倉庫業者等をして保管させている場合は含まれるが、民間事業者が管理するデータベースを利用する場合は含まれない。

(4)「法人文書に記録されているものに限る」

個人情報には、紙等の媒体に記録されたものと、そうでないもの(口頭によるもの等)があるが、法の規律を安定的に運用するためには、個人情報が記録されている媒体がある程度固定されている必要があり、文書、図画、電磁的記録等何らかの媒体に記録されていることを前提とされている。その上で、情報公開法との整合性を確保する観点から、法人文書に記録されているものに限ることとされている。したがって、職員が単に記憶しているにすぎない個人情報は、保有個人情報に該当しない。また、情報公開法は、官報、白書、新聞、雑誌、書籍その他不特定多数の者に販売することを目的として発行されるもの等を法人文書の定義から除いているが、これらに記録されている個人情報も、保有個人情報に該当しないことになる。
なお、「法人文書」の解釈については、「独立行政法人等の保有する情報の公開に関する法律に基づく独立行政法人工業所有権情報・研修館の処分に係る審査基準等について(20020918情館006(改正20041001情館001))」Ⅱ.1.参照。

2.部分開示

法第15条の規定に基づいて部分開示を行う場合には、同規定の解釈として以下の点に留意するものとする。

(1) 不開示情報が記録されている場合の部分開示(法第15条第1項)(ただし、開示請求者以外の特定の個人を識別することができる情報が記録されている場合には(2) 参照)

1)「開示請求に係る保有個人情報に不開示情報が含まれている場合」
開示請求について審査した結果、開示請求に係る保有個人情報に、不開示情報に該当する情報が含まれている場合を意味する。
2)「容易に区分して除くことができるとき」
ⅰ)当該保有個人情報のどの部分が不開示情報に該当するかという区分けが困難な場合だけでなく、区分けは容易であるがその部分の分離が技術的に困難な場合も部分開示の義務がないことを明らかにしたものである。
「区分」とは、不開示情報に該当する部分とそれ以外の部分とを概念上区分けすることを意味し、「除く」とは、不開示情報に該当する部分を、当該部分の内容が分からないように墨塗り、被覆を行うなど、加工することにより、情報の内容を消滅させることをいう。
ⅱ)保有個人情報に含まれる不開示情報を除くことは、当該保有個人情報が文書に記録されている場合、文書の複写物に墨を塗り再複写するなどして行うことができ、一般的には容易であると考えられる。
一方、録音テープ、ビデオテープ、磁気ディスクに記録された保有個人情報については、区分して除くことの容易性が問題となる。例えば、複数の人の発言が同時に録音されているが、そのうちの一人から開示請求があった場合や、録画されている映像中に開示請求者以外の者が映っている場合などがあり得る。このような場合には、不開示情報を容易に区分して除くことができる範囲で、開示すべき部分を決定することになる。
なお、電磁的記録に記録された保有個人情報については、紙に出力した上で、不開示情報を区分して除いて開示することも考えられる。電磁的記録をそのまま開示することを求められた場合は、不開示情報の部分のみを削除することの技術的可能性等を総合的に判断する必要がある。既存のプログラムで行うことができない場合は、「容易に区分して除くことができるとき」に該当しない。
3)「当該部分を除いた部分につき開示しなければならない。」
部分開示の実施に当たり、不開示情報の記録部分の全体を完全に黒く塗るか、文字が判読できない程度に被覆するか、当該記録中の主要な部分だけ塗り潰すかなどの方法の選択は、不開示情報を開示する結果とならない範囲内において、当該方法を講ずることの容易さ等を考慮して判断することとなる。その結果、観念的にはひとまとまりの不開示情報を構成する一部が開示されることになるとしても、実質的に不開示情報が開示されたと認められないのであれば、独立行政法人等の不開示義務に反するものではない。
なお、不開示決定の部分については、行政手続法第8条の規定に基づく理由提示の義務があり、開示請求者において、法第14条各号の不開示情報のどれに該当するのかをその根拠とともに了知し得るものでなければならない。一般的には、根拠規定に加え、少なくとも法人文書中のどのような情報をどのような理由で不開示としたのかを示さなければならないと考えられる。

(2) 開示請求者以外の特定の個人を識別することができる情報が含まれている場合の部分開示(法第15条第2項)

1)「開示請求に係る保有個人情報に前条第二号の情報(開示請求者以外の特定の個人を識別することができるものに限る。)が含まれている場合」
ⅰ)第1項の規定は、保有個人情報のうち、不開示情報でない部分の開示義務を規定しているが、不開示情報のうち一部を特に削除することにより不開示情報の残りの部分を開示することの根拠規定とはならない。
個人識別情報は、通例は特定の個人を識別可能とする情報と当該個人の属性情報からなる「ひとまとまり」の情報の集合物であり、単に他の不開示情報の類型が各号に定められた「おそれ」を生じさせる範囲で不開示情報の範囲を画することができることとは、その範囲の捉え方を異にする。このため、第1項の規定だけでは、個人識別情報については全体として不開示となることから、氏名等の部分だけを削除して残りの部分を開示しても個人の権利利益保護の観点から支障が生じないときには、部分開示とするよう、個人識別情報についての特例規定を設けたものである。
ⅱ) 「開示請求者以外の特定の個人を識別することができるものに限る」こととしているのは、「特定の個人を識別することはできないが、開示することにより、なお個人の権利利益を害するおそれがあるもの」(第14条第2号の後半部分)については、特定の個人を識別することとなる記述等の部分を除くことにはならないためである。
2)「当該情報のうち、氏名、生年月日その他の開示請求者以外の特定の個人を識別することができることとなる記述等の部分を除くことにより、開示しても、開示請求者以外の個人の権利利益が害されるおそれがないと認められるとき」
個人を識別させる要素を除去し誰の情報であるかが分からなくなっても、開示することが不適当であると認められる場合もある。例えば、作文などの個人の人格と密接に関連する情報や、個人の未発表の論文等開示すると個人の正当な権利利益を害するおそれのあるものも想定される。
このため、個人を識別させる部分を除いた部分について、開示しても個人の権利利益を害するおそれのないものに限り、部分開示の規定を適用することとしている。
3)「当該部分を除いた部分は、同号の情報に含まれないものとみなして、前項の規定を適用する」
この規定により、個人識別情報のうち、特定の個人を識別することができることとなる記述等以外の部分は、個人の権利利益を害するおそれがない限り、第14条第2号に規定する不開示情報ではないものとして取り扱われることとなり、第1項の部分開示の規定が適用される。このため、他の不開示情報の規定に該当しない限り、当該部分は開示されることになる。
また、第1項の規定を適用するに当たっては、容易に区分して除くことができるかどうかが要件となるので、個人を識別させる要素とそれ以外の部分とを容易に区分して除くことができない場合は、当該個人に関する情報は全体として不開示となる。

3.個人の権利利益を保護するための裁量的開示

法第16条の規定に基づき、個人の権利利益を保護するため不開示情報の裁量的開示を行う場合には、当該規定の解釈として以下の点に注意するものとする。

(1)「個人の権利利益を保護するため特に必要があると認めるとき」

第14条各号の不開示情報に該当する情報であっても、個人の権利利益を保護するため特に必要があると認めるときは、独立行政法人等の高度の行政的な判断により、開示することができることとしたものである。
第14条各号においても、当該規定により保護する利益と当該情報を開示することによる利益との比較衡量が行われる場合があるが、本条は、第14条の規定が適用され不開示となる場合であっても、なお開示する必要性があると認められる場合には、開示することができるとするものである。

4.保有個人情報の存否に関する情報

法第17条の規定に基づき、保有個人情報の存否を明らかにしないで開示請求を拒否する場合には、同規定の解釈として以下の点に留意するものとする。

1)「当該開示請求に係る保有個人情報が存在しているか否かを答えるだけで、不開示情報を開示することとなるとき」
開示請求に係る保有個人情報が実際にあるかないかにかかわらず、開示請求された保有個人情報の存否について回答すれば、不開示情報を開示することとなる場合をいう。開示請求に含まれる情報と不開示情報該当性が結合することにより、当該保有個人情報の存否を回答できない場合もある。例えば、犯罪の容疑者等特定の個人を対象とした内偵捜査に関する情報について、本人から開示請求があった場合等が考えられる。
2)「当該保有個人情報の存否を明らかにしないで、当該開示請求を拒否することができる」
保有個人情報の存否を明らかにしないで開示請求を拒否する決定も、申請に対する処分であることから、行政手続法第8条に基づき処分の理由を示す必要がある。提示すべき理由の程度としては、開示請求者が拒否の理由を明確に認識し得るものであることが必要であると考えられる。また、個別具体的な理由提示の程度については、当該情報の性質、内容、開示請求書の記載内容等を踏まえ、請求のあった保有個人情報の存否を答えることにより、どのような不開示情報を開示することになるかをできる限り具体的に提示することになる。
また、存否を明らかにしないで拒否することが必要な類型の情報については、常に存否を明らかにしないで拒否することが必要であり、例えば、保有個人情報が存在しない場合に不存在と答えて、保有個人情報が存在する場合にのみ存否を明らかにしないで拒否したのでは、開示請求者に当該保有個人情報の存在を類推させることになる。

附則
本審査基準等は、平成17年4月1日から施行する。
本審査基準等については、本法に基づく開示決定等、情報公開・個人情報審査会の答申並びに情報公開訴訟の判例等の状況について検討が加えられ、その結果に基づいて適宜適切な見直しが行われるものとする。

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