文字の大きさ

検索

menu

 

海外進出の際に、技術流出や営業秘密の漏えいのリスクがあると聞きました。どのようなことがきっかけで起きてしまうのでしょうか?

海外進出の際の技術流出や営業秘密の漏えいの原因として、以下のように多様なパターンがあります。海外知的財産プロデューサーは、技術流出や営業秘密の漏えいの主な原因を踏まえた対策についてアドバイスを行っています。

技術流出・営業秘密の漏えいの原因のひとつは、自社の社内体制の未整備

技術流出や営業秘密の漏えい原因のひとつは、自社の技術情報・営業秘密の管理体制(情報管理規定)が整備できていないことです。例えば、

  • ノウハウが整理されて秘密情報として管理されていない。
    例:
    ノウハウが従業員の頭のなかにあるだけ。
    ノウハウの成分表がだれでも見られる場所に保管されている。
  • 就業規則、雇用契約に秘密保持義務が規定されてない、守られていない。
    例:
    従業員が製造現場にカメラ付き携帯を持って入っている。
  • 情報の開示基準などが決められていない。情報の選別ができていない。
    例:
    海外企業の視察の際、工場内のものをなんでも見せてしまう。

技術流出・営業秘密漏えいの原因は、情報を流出させた社員ではなく、情報流出を許してしまった社内体制かもしれません。海外進出を機に、社内の管理体制を見直してみてください。

(参考)
技術流出、営業秘密漏えいさせないために、どのように技術情報や営業秘密の管理を行えばよいですか?

仲介人、商社からの秘密情報の流出

仲介人、商社を介して海外と取引する場合に、その仲介人や商社から企業の技術情報や営業秘密が流れてしまう例もあります。

商社や仲介人は御社のいかなる情報がどれだけ重要かを必ずしも最初から理解しているわけではありません。商社・仲介人との間で情報の重要性について十分に意思疎通をしたうえで、情報の取り扱いをどうするか決めておくことで、情報が漏洩してしまうリスクを低減することができます。

海外拠点の従業員からの技術情報・営業秘密の流出

海外の独資・合弁会社から技術情報・営業秘密が流出することもあります。独資・合弁会社には自社の資本が入っているので、身内のような感覚でいる企業さんもいらっしゃいます。

しかしながら、ほとんどの国において雇用の流動性は日本より高く、新興国では従業員が独立して起業したり、よりよい条件の会社に転職したりすることが珍しくありません。海外の独資・合弁会社の社員が、後の競合会社になる可能性もあります。

海外拠点に出した情報は、何も対処をしなければ、従業員の流動と共にだだ漏れになると思ってください。海外の現地従業員は遅かれ早かれ転職することを前提にして、従業員による情報流出防止策(秘密保持の従業員への徹底、契約終了措置、処遇などの引止め策、退職後の秘密保持義務など)を検討してください。

現地での改良発明による技術情報の流出

例えば、ライセンスや技術指導などで提供したノウハウについて、相手方企業で改良された場合に、改良部分だけでなく、自社が提供したノウハウの一部も自らの発明として出願されてしまった、という例があります。このように、ノウハウや技術を提供した相手方企業による改良発明の出願によって、自社が公開したくなかった技術が公開されてしまう可能性があります。

まずは、

  • 現地でいかなる改良がなされ、貴社の提供した部分にどのように影響する可能性があるか。
  • 改良があった場合の成果の帰属、取り扱いをどうするか。

など、相手方企業における改良発明に対する方針を決めてみてください。

そこで、改良があった場合の技術流出のリスクを低減するため、例えば、相手方企業が改良発明を出願する前に通知させ、事前に明細書を見せることを契約に盛り込み、自社の公開したくないノウハウなどの情報が入っていないか、確認するなどの工夫もできます。

また、例えば、すべての技術・ノウハウを相手方企業に教えるのではなく、製造工程を複数に分けて複数の会社に委託したり、技術の肝の部分はブラックボックス化して輸出したりすることによって、一箇所に「ものづくりのすべて」がそろわないようなビジネススキームとするのもひとつの手段です。

ただし、契約などで改良自体を制限したり、無償で改良技術を譲渡・独占的にライセンスさせたりすることなどは、各国の独占禁止法により基本的に認められないことにご注意ください。

技術者などの従業員の会話からの技術情報の流出

自社の技術者が技術指導をしているときに、相手方企業から「そうすると品質が良くなることがどうしてわかったの?」と聞かれた場合、どのように返答するでしょうか。

なぜよくなったか、ということを教えてしまうと、課題解決の考え方などを教えることになり、相手方企業の製品改良などに応用できるようになってしまう可能性があります。この場合、それは企業秘密なので教えられないなどと返答することが考えられます。同様に、展示会や取引先で営業担当が話しすぎてしまうことにより、技術流出する可能性もあります。

このように、技術者同士の日常会話の中で、情報が漏洩してしまうこともあるので、従業員にどう秘密保持の意識づけを行うかが重要になってきます。

法律の要求に伴う技術情報の開示

例えば、中国の技術輸出管理条例などの法律の要求により技術開示が求められる場合があります。その際に、技術開示要求に対して、どこまでの情報をどの様に出していくか、対応方針が決まっていないと、不必要な技術情報まで開示をしてしまいかねません。

まずは、その技術開示要求は本当に法的根拠があるのか、正当な手続きであるのかを確認してください。その上で、要求に対して必要な技術情報だけを開示するように留意して対応してください。

これらの原因以外にも、技術情報、秘密情報の流出の原因は多岐にわたります。海外知的財産プロデューサーは、技術情報や営業秘密の流出の主な原因を踏まえて、情報流出を防ぐための対策についてアドバイスを行っています。


海外ビジネスでの知的財産のお悩みごとがありましたら、海外知的財産プロデューサーにご相談ください(無料)。お申込み、お問い合わせは、以下をご参照ください。

海外知的財産プロデューサーとは?

中堅・中小企業をはじめとした日本企業の海外進出・事業展開における知的財産面の課題について、海外ビジネスの経験豊富な海外知的財産プロデューサーが、御社のビジネスプランに合わせた個別アドバイスを実施しています。

(注)このFAQに掲載される情報は、特に中堅・中小企業の海外進出時の知財活動に役立つことを念頭に、海外ビジネスにおいて重要な事項を中心に、誤りや誤解のないよう万全を期して作成いたしましたが、その内容及び情報の正確性、完全性、適時性について、責任を持つものでもありません。

ページトップへ
ページの先頭へ戻る