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技術流出、営業秘密漏えいさせないために、どのように技術情報や営業秘密の管理を行えばよいですか?

海外では従業員が転職を繰り返したり、情報に対する認識の違いがあったりすることで、日本以上に技術流出・営業秘密漏えいのリスクが高いため、技術情報・営業秘密の管理は、国内以上に重要です。

一方で、海外進出する直前に、以下のような秘密管理を徹底しようとしても間に合わない場合がほとんどです。海外知的財産プロデューサーは、海外進出を見据えた進出前の段階から、個々の企業に合わせた管理体制構築についても継続的にお手伝いさせていただいています。

法的保護に値する「秘密」とは

海外知的財産プロデューサーが海外進出支援をしている中堅・中小企業の中には、熟練工のノウハウや工夫で、高品質な製品を製造している企業が多くあります。

しかしながら、単にノウハウが熟練工の頭のなかに漠然とあるだけでは、法的保護に値する「秘密」として認められないおそれがあります。

秘密保持契約の「秘密」とは、基本的に法的保護に値する「秘密」であることが必要であり、その意味で不正競争防止法上の「営業秘密」と重なりあってきます。

法的保護に値する「秘密」であると認められるためには、基本的に以下の3つの要件を満たさなければなりません。

  1. 公然と知られていない情報であること

    この点、厳密には「公知」であっても、一般の人がアクセスできない情報であれば少なくとも企業秘密として秘匿しておくべき場合があることにもご注意ください。

  2. 事業活動に有用な情報であること

    顧客リスト、設計図、製造ノウハウ、失敗した実験のデータ、販売マニュアルなど、ビジネスにつながる情報であればどんなものでも保護に値すると判断されるかもしれません。

  3. 「秘密」として管理されていること

    営業秘密かどうかについて、この要件が問題となる場合が多くなっています。
    判例などでは、情報へのアクセスの制限がされていたかどうかと、客観的に「秘密」と認識できたかどうかが大きな判断基準とされています。
    この秘密情報の管理は、秘密保持契約などの契約締結時だけでなく、普段から管理されていることが必要です。

営業秘密の管理の詳細については、経済産業省のウェブサイトに情報が多く掲載されていますので、ご参照ください。
営業秘密~営業秘密を守り活用する~(経済産業省)新規ウインドウで開きます

「秘密」情報を選別する

上記の定義にあてはまる「秘密」情報を、すべて厳重に管理することは現実的ではありません。そこで、「秘密」情報をまず以下の3段階にわけてみてください。

絶対に社内だけにとどめたい情報、秘密保持契約を結んだ上で開示してもよい情報、通常の営業活動で開示してもよい情報の3段階になります。1段階目、2段階目は自社の強みやノウハウになります。

このように情報を選別した上で、秘密情報にアクセスできる者を、段階に応じて限定するなど、情報の重要度に応じた管理手法を行うことで、秘密情報の管理による業務の影響を少なくすることができます。

相手方会社の従業員からの情報漏洩に注意

日本も含め、情報は産業スパイなどからではなく、自社従業員から転職などを機に漏れることが圧倒的に多くなっています。したがって、御社の秘密に実際に触れる相手方会社の従業員からの情報漏えいについて注意する必要があります。

この点、秘密保持契約は、自社と相手方会社の「会社間」で結ぶものです。したがって、相手方会社の従業員は自社に対し直接秘密保持義務を負っているわけではありません。一方、相手方会社の従業員は、相手方会社に対しては雇用契約や就業規則などにより秘密保持義務を負っています。しかし、当該従業員が退職した場合も依然として相手方会社に対し秘密保持義務を負うかは、相手方会社との間の取り決めにより変わってきます。

したがって、相手方会社がどのような情報管理体制を持っているか、従業員とどのような秘密保持のための取り決めをしているかを確認し、必要に応じて新たに構築してもらうことが必要になる場合があります。例えば、退職後の秘密保持義務、競業避止義務※について取り決めてもらうことが考えられます(競業避止義務が認められる国は限られており、認められる場合も上限や補償が定められていることもあります)。

また、例えば、自社と相手方企業との契約に以下の条項を入れることで、相手方企業の従業員が秘密漏洩した場合の責任を相手方企業に負わせ、情報管理のモチベーションを上げさせることも一般的に行われます。

ただし、秘密保持義務を負わせたとしても「覆水盆に返らず」、一度漏れた秘密が元に戻ることはありませんので、自社の生命線といえるような重要な情報についてはそもそも外国に移転せず、日本から製品輸出することができないかなども検討されることをおすすめします。

 ※競業避止義務:競合する会社に就職、又は自ら起業するなどの競業行為を行ってはならないという義務

交渉前に秘密保持契約を結ぶ

交渉中に秘密情報の一部を開示したけれども、本契約に至らなかった、という場合、秘密が保持されません。交渉時から、秘密保持契約を結んでおくことが必要です。

なお、事前に秘密保持契約を結んでいたとしても、本契約を締結するときには提供する秘密の範囲が広くなっていることも多いため、本契約にもそのときの状況に合った秘密保持条項を入れておくことが必要です。

その際、契約書のひな形に入っていることの多い「完全合意条項」(その契約以前の契約・取り決めを無効として一本化する条項)について注意が必要です。以前の秘密保持契約が無効になってしまい支障がないか精査し、必要に応じて無効となる契約から秘密保持契約などを除外することもあります。


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(注)このFAQに掲載される情報は、特に中堅・中小企業の海外進出時の知財活動に役立つことを念頭に、海外ビジネスにおいて重要な事項を中心に、誤りや誤解のないよう万全を期して作成いたしましたが、その内容及び情報の正確性、完全性、適時性について、責任を持つものでもありません。

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