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タイムスタンプ保管サービスについて

独立行政法人 工業所有権情報・研修館(INPIT)では、平成28年度末からタイムスタンプ保管サービスを提供するため、システム開発を開始いたします。

1.タイムスタンプについて

タイムスタンプは、タイムスタンプに刻印されている時刻以前にその電子文書が存在し、その時刻以降電子文書が改ざんされていないことを証明するものです。特許への権利化や営業秘密としての秘匿化を含む戦略的な知財管理を実施する際、紛争等が生じた場合には技術情報の保有時点を証明可能にしておくことが重要です。このため、知的財産の分野においてもタイムスタンプの利用が広まってきました。特に営業秘密や先使用権の立証については、長いタイムスパンで証明できるようにしておく必要があることから、タイムスタンプを長期間に渡って安定して保管することが重要です。

2.サービスの概要

INPITは、時刻認証業務認定事業者が発行したタイムスタンプトークンを、ユーザから預かって長期間安全にバックアップとして保管します。そして、ユーザがそのタイムスタンプトークンを必要とした場合には、預入証明書とともにタイムスタンプトークンを提供します。このタイムスタンプ保管サービスを活用して原本証明を行うまでの流れは、以下の図1に示すとおりです。

(図1:タイムスタンプトークン(TST)発行から同一性確認までの流れ)
タイムスタンプ保管システムの流れ1
(1)ユーザは、時刻認証業務認定事業者のクライアントソフトを使用して、電子文書(原本)からハッシュ値を導出し、当該ハッシュ値を時刻認証業務認定事業者へ送信します。

(2)時刻認証業務認定事業者は、当該ハッシュ値に時刻(タイムスタンプ)を付与してタイムスタンプトークンを発行し、当該タイムスタンプトークンをユーザへ送信します。

(3)ユーザは、INPITにおいて当該タイムスタンプトークンをバックアップ保管したい場合は、タイムスタンプ保管システムのWebインターフェイス上でユーザ情報を登録した後、INPITへ当該タイムスタンプトークンを送信します。

(4)INPITに送信された当該タイムスタンプトークンは、INPITへの預入時刻情報とともに、セキュリティレベルの高いサーバに格納されます。

(5)ユーザは、当該タイムスタンプトークンを必要とした場合は、タイムスタンプ保管システムのWebインターフェイス上でログインし、当該タイムスタンプトークン及び預入証明書(ユーザ情報、ハッシュ値、タイムスタンプ付与時刻、預入時刻等の情報が記載されたINPITの証明書)を取得します。

(6)ユーザは、電子文書(原本)から導出したハッシュ値と、当該タイムスタンプトークン及び預入証明書に記載されたハッシュ値とを比較することで、それらの同一性を確認します。
 
INPITでは、上記の同一性確認までの流れのうち、(3)~(5)に対応するサービスを提供するタイムスタンプ保管システムを構築し、長期間にわたり運用いたします。サービス利用料は無料となります。
 

3.ユーザメリット

生み出した技術について、特許等へ権利化したり、営業秘密として秘匿化するほか、他社に使わせるオープン戦略と自社で独占するクローズ戦略とを適切に組み合わせる等、より複雑かつ高度な知財戦略を策定することが重要となっています。INPITは、本サービスにより、企業等がより安心して戦略的な知財管理に取り組むことができる環境を構築します。具体的なユーザメリットは以下のとおりです。
 
(1)タイムスタンプトークンを公的機関で保管することによって、改ざんを防止し、長期間安定なバックアップが可能になる。

(2)国内外での係争時に、先使用権や営業秘密などの保有時点の証明に疑義が生じた場合、ユーザの立証負担を軽減することができる。

4.想定活用例

以下のようなケースで、証明手段の一つとして、保管されたタイムスタンプが活用され得るものと考えられます。

(1)特許、意匠、商標等の侵害訴訟において、被疑侵害者が先使用権を主張する際に、発明や意匠の実施である事業又はその準備をしていたことを立証したり、商標の先使用を立証したりするケース

(2)他者の特許権や意匠権の有効性を争う審判や訴訟等において、特許や意匠登録の無効理由となる技術情報等が、出願された時点において公知であった事実を立証するケース

(3)商標登録の取消しの審判において、商標権者等が登録商標の使用を立証するケース

(4)営業秘密漏えい事件の訴訟において、漏えいした技術を営業秘密保有者自らがその時点以前に保有していたことを立証するケース

5.リリースまでのスケジュール

以下のスケジュールによりシステムの設計・開発・運用を進める予定です。

2016年4月 タイムスタンプ保管システム設計・開発を開始
2017年1月 ユーザによる試験運用開始
(一定数のユーザに試験的にサービスを利用してもらいます。)
2017年3月 サービス提供開始

6.よくある質問と回答

Q1:INPITのタイムスタンプ保管システムには、原本(図面等)の電子データそのものを預けることができるのか?

A:原本(図面等)の電子データそのものを預け入れることはできません。システムに預け入れることができるものは、時刻認証業務認定事業者が発行した所定のタイムスタンプトークンのみとなります。

Q2:INPITのタイムスタンプ保管システムでは、原本(図面等)の電子データに対して時刻情報を付与してタイムスタンプトークンを発行することができるのか?

A:タイムスタンプトークンを発行することはできません。INPITのタイムスタンプ保管システムをご利用いただくためには、まず、時刻認証業務認定事業者から所定のタイムスタンプトークンを発行してもらう必要があります。

Q3:時刻認証業務認定事業者が発行した所定のタイムスタンプトークンとは、具体的にどのようなものか?

A:一般財団法人日本データ通信協会のタイムビジネス認定センターにおいて、時刻認証業務認定事業者として登録されている事業者が提供するサービス(http://www.dekyo.or.jp/tb/list/index.html)によって発行されるタイムスタンプトークンです。

Q4:INPITのタイムスタンプ保管システムは、どのような情報に対応するタイムスタンプでも受け入れるのか?

 A:基本的に特許、意匠、商標等の産業財産権に関連する情報に対応するタイムスタンプの受入を想定しています。また、潜在的に特許の出願の対象となり得るノウハウ等の技術情報についても対象とする予定です。

Q5:INPITのタイムスタンプ保管システムにタイムスタンプトークンを預けた後は、手元のタイムスタンプトークンを破棄しても大丈夫か?

A:INPITのタイムスタンプ保管システムは、ユーザのタイムスタンプトークンのバックアップにすぎず、ユーザ側でもタイムスタンプトークンを保管していただくことを想定しています。保管システムにおいてはデータ保全に万全を期しておりますが、手元のタイムスタンプトークンは破棄せずに保管してください。

Q6:INPITのタイムスタンプ保管システムに預けることで、タイムスタンプの証拠力を高めることができるのか?

A:本サービスは、中小企業等のユーザにとってタイムスタンプの利用性を上げることを目的としており、タイムスタンプ自体による証拠力以上の法的効力を付与するものではありません。しかしながら、タイムスタンプトークンの保管先に十分な信頼性があり、外部からの攻撃に対し十分な備えができていることにより、改ざんを疑われる可能性は減るものと考えられます。

7.参考

タイムスタンプとは

近年の情報化社会においては、あらゆる文書が電子的に作成され、保存・管理されるだけでなく、取引先と電子情報のみで取引が行われ、そして契約が成立しています。一方で、電子文書は、いつ、誰が作成したのかが判明しにくく、しかも、いつでも容易に改ざんでき、改ざんされたか否かも判別しにくいため、誰がいつ作成したのか、またその電子文書が原本と同一で改ざんされていないのかを、後から証明する手段が求められており、これは知的財産の分野においても同様です。
タイムスタンプは、こうした要望の一部に応えるもので、電子データに時刻情報を付与することにより、その時刻にそのデータが存在し(日付証明)、またその時刻から、検証した時刻までの間にその電子情報が変更・改ざんされていないこと(非改ざん証明)を証明するための民間のサービスです。このサービスを提供する事業者の例として、一般財団法人日本データ通信協会が認定する時刻配信業務認定事業者が時刻を配信し、この配信された時刻に基づいて、同協会が認定する時刻認証業務認定事業者(以下、タイムスタンプ局)がタイムスタンプの発行サービスを行っています。
タイムスタンプ保管システムの流れ2

参考リンク

・一般財団法人日本データ通信協会 タイムビジネス認定センター
http://www.dekyo.or.jp/tb/index.html

・一般財団法人日本データ通信協会 タイムビジネス協議会
http://www.dekyo.or.jp/tbf/index.html

・総務省 電子署名・認証・タイムスタンプ その役割と活用
http://www.soumu.go.jp/main_sosiki/joho_tsusin/top/ninshou-law/pdf/090611_1.pdf

この記事に関するお問合わせ先

知財戦略部 営業秘密管理担当

電話
(代表)03-3581-1101 内線3841
Fax
03-3502-8916

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