京都大学特別教授 北川 進 博士 ノーベル化学賞受賞のお祝い
INPIT (独立行政法人工業所有権情報・研修館)
理事長 渡辺 治
京都大学理事・副学長および京都大学特別教授 北川 進博士がノーベル化学賞を受賞されましたことに対し、心からお祝いを申し上げます。
今回の受賞は、「金属有機構造体(Metal-Organic Frameworks、MOF)」に対して贈られ、北川博士が世界に先駆けて成功したMOF(多孔性配位高分子:Porous Coordination Polymer、PCPとも称する)の合成およびコンセプトの確立が高く評価されました。
MOFは、ナノメートルの微小な穴が無数に空いた多孔性構造で、北川博士の功績によりその穴の大きさや形状を自在に設計できる技術が確立し、穴への分子の吸蔵・吸着現象が解明されました。その成果は気体の吸着、貯蔵、分離技術、伝導性材料や触媒材料などへの応用展開への寄与、エネルギーや環境分野での貢献が期待されています。
北川博士のノーベル賞受賞は、6日に発表された坂口 志文博士の生理学・医学賞に続く快挙であり、日本人にとって大きな誇りと励みとなるものです。
改めて、北川博士の受賞を心からお祝い申し上げます。
INPITとの関わり
北川進博士が科学顧問を務め、PCP/MOFにおける研究開発成果の社会実装を目的に創業された株式会社Atomisに対して、2024年に特許庁が実施した「令和6年度神戸市知財経営支援モデル地域創出事業」1においてINPITもサポート機関として、知財に関する様々な支援を行っております。
INPITでは研究成果の社会実装に対して知財面で様々な支援を行っており、今後も支援を続けていきます。
1知財を活用した地域の企業成長や地域活性化に意欲的な自治体(地域)に事業プロデューサー(PD)を派遣。事業PDは、地域の支援機関等の支援リソースを効果的に活用しながらチームを形成し、中小企業等の課題解決から製品プロモーションまで、一気通貫の地域支援体制を構築した上で、地域中小企業等に個社支援を実施する事業。
https://www.jpo.go.jp/support/chusho/document/boshu_model/r6_report_03_kobe.pdf