<株式会社 東栄マシナリー>売上増大のカギはクローズ戦略による知財管理と海外展開戦略!

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東栄マシナリー 写真1


 設立1986年、30年に亘り自動車部品の製造機械や金型を製作・供給してきた株式会社東栄マシナリー(以下、同社。)は、その経験と知識を活かし、自動車部品製造・供給において革新的な曲げ加工専用機「INVOLUTE BENDER」を開発した。

一押し製品「INVOLUTE BENDER」

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 従来、機械加工と金型の複数工程が必要であった曲げ加工を、同社の「INVOLUTE BENDER」は1工程での加工、さらに、あらゆる複雑形状の製品の製造も可能とした。また、近年自動車部品メーカーから需要が高まりつつある高張力鋼板(ハイテン材)の加工への対応や、従来の曲げ加工で発生していたスクラップの抑制なども可能とし、工程の短縮やコスト削減、省力化、生産性の向上、環境への配慮など、顧客のニーズを満たす製品となっている。

◆社長インタビュー 同社の知財戦略と窓口を活用して得られた成果◆

クローズ戦略による知財管理への転換

 我々の会社は、顧客が自動車部品メーカーとなりますので、もともと契約などの面で「なぁなぁ」に済ませるところがありました。そのため、知財戦略についても社内の意識は決して高いとは言えませんでしたね。ところが以前、大手自動車部品メーカーから製造依頼を受けた製品に関する発明を、勝手に他社に特許出願されてしまったことがありました。それ以来、自社の技術はノウハウで管理しようという気運が高まりました。

知財戦略・海外戦略支援で売上増へ!

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 実際に知財総合支援窓口を活用するきっかけは、自社製品のブランディング戦略を考えたことでした。我々はアメリカや韓国などの海外自動車メーカーともお付き合いがあるのですが、製品の輸出に向けて商標権でネーミングを守りたいと考え、その出願手続きを相談員に訪問支援してもらい、商標登録できました。また、当時アメリカのメーカーから自社製品のメンテナンスのために図面データを要求されていたのですが、対処方法について窓口に相談したところ、INPIT海外知財プロデューサーを派遣してもらいました。海外戦略や海外メーカーとの秘密保持契約書作成については窓口機能強化事業の「海外知財契約書作成」の支援も受け、相手方との交渉を開始しその後契約締結することができました。売上増大に大きく寄与しています。

 さらに、我々は自社技術をノウハウで管理していますが、営業秘密管理の必要性から社内体制を整備するために、INPIT知財戦略アドバイザーの派遣も受けました。

窓口支援の成果と今後の展望

 窓口からの支援があったため、安心して海外展開することができました。また、我々にとって徹底したクローズ戦略が有効であり、海外展開の際の秘密保持契約が重要であることを改めて認識しました。今後は東南アジアなどの地域への展開や、営業秘密管理の社内体制整備においても窓口を活用したいと思います。